ケレック・永久カレンダークロノグラフ


ケレック・永久カレンダークロノグラフ
ムーンフェイズに30日と31日、2月は28日までをカレンダー調整する必要のない自動巻の簡易式永久カレンダー機構を備えたクロノグラフ。
カレンダーを調整するのは4年に一度、閏年のみ。

KELEK perpetual calendar chronographe self-winding
ムーブメント:Cal.2700
ケース:ステンレススチール/20ミクロンメッキ
販売価格:¥453,600(税込) SOLD OUT

  1. 創業
  2. 忠実
  3. 反抗
  4. 頑固
  5. 合併

知られざる複雑時計専門メーカー“KELEK”

創業者アーネスト・ゴルゲラート
(Ernest Gorgerat)

1896年創業
当時のラ・ショー・ド・フォンは活気に溢れ仕事意欲のある者がどんどん移り住んで来る街。
ちょうどこの頃、初めての労働組合が正式に組織化され、複数の小さな時計職人組合もこの労働組合に合流。

一方で、置時計や懐中時計などのメーカーも1887年にオロロジカル・マニュファクチャーズ協会を設立し、さらなるスイス時計産業の発展を掲げた。 オロロジカル・マニュファクチャーズ協会は後のスイス時計製造業者連盟(FH)となっている。

そんな時代背景のラ・ショー・ド・フォンでアーネスト・ゴルゲラートは積極的に時計職人組合に参加しながらムーブメント・メーカーとして起業した。

第二次世界大戦中も日本とビジネス

二代目ロール・ゴルゲラート
(Raoul Gorgerat)

Business is Business 1939 to 1945
第二次世界大戦中、スイス政府が国益である時計産業界に関与し関税など様々なコントロールで輸出困難な時、ドイツがスイスを脅かしている時でも、仕事は仕事と割り切って取引先である日本やドイツに貴重なクロノグラフ・モジュール等を終戦まで輸出し続けた。
ある時は潜水艦に積んでまで…

皮肉な事に戦後の日本が完全復興した1969年に、クォーツ式腕時計を開発したSEIKOがスイス時計産業界を脅かす存在となるが、後のKELEK社長ガブリエル氏は機械式時計だけの設計・生産を貫いている。

スイス時計協会の価格統制に反対

三代目ジャン・ロール・ゴルゲラート
(Jean-Raoul Gorgerat)

1959年 SAGITER結成
ヌーシャテル大学の経済学科を卒業したジャン・ロール・ゴルゲラートはスイス時計協会による時計部品などの価格統制に反対し、マニュファクチュール・グループ“SAGITER”を結成。Sandoz, Aetos, Gorgerat, Invicta, Tech Eska, Radoの頭文字をとって“SAGITER”とした。

1960年 KELEK誕生
自社の時計生産体制を見直し、競争力のある真の工業価格を創出しようと持株関係にあったEbauches SAとの共同開発で、最新技術を取り入れたスイス初の時計組立ラインを設立。
この時に初めてKELEKを設立し自社ブランドの時計生産を開始する。

譲歩や妥協という言葉を知らない

4代目ガブリエル・ヒュブリエ
(Gabriel Feuvrier)
“私は他者のようになるつもりはありません”

『頑固一徹』時計技術師あがりの叩き上げ
ガブリエル・ヒュブリエは、クォーツ式の腕時計が出始めた波乱の時代1970年にケレック社長に就き、多くのスイス時計メーカーがクォーツ式時計に移行する中、複雑機械式時計だけを生産。職を失った時計職人達を歓迎して雇用した。のちに訪れる機械式時計ブームでは、歓迎した沢山の時計職人達と今まで培ってきたムーブメントメーカー同士の強い絆のおかげで、100%スイス国内産の完全な時計生産体制に対応する事が出来た。

ガブリエル・ヒュブリエ率いるケレック社は特にデュボワデプラ社と親密な関係にあり、意欲的に機械式の複雑ムーブメントを開発している。
1970年から2000年まで社長を務めたガブリエル・ヒュブリエ氏(Gabriel Feuvrier)は時計界への功績を評価され、1999年、ラ・ショー・ド・フォン国際時計博物館よりガイア賞(企業家部門)を与えられています。

1997年、BREITLINGに吸収合併される

1990年代

衝撃的なクォーツ旋風から20年、1990年代に世界的な機械式時計ブームが到来。黙々と機械式ムーブメントの開発を続けていたケレックは一気に開花した。
汎用ムーブメントをベースに、複雑機構モジュールを開発するアイディアでクォーター・リピーターや永久カレンダー、世界最小自動巻クロノグラフ等を次々に発表し量産体制も築いた、これらのムーブメントは数々の有名時計メーカーに搭載されている。

1996年、創業100周年を迎え、クォーター・リピーターを搭載した“The Centenary Watch”を発表。
1997年、長年のパートナー、ブライトリングと吸収合併し、KELEKは幕を閉じた。
そしてブライトリングが新たに建設した超ハイテク設備の時計工場“ブライトリング・クロノメトリー”を支えている。

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釜島光顕


顧客との結びつきが希薄になりがちな販売形態ではなく、お客様と信頼関係を築きながら営業する「ふつうの時計屋」を貫いている。